Alexander Belogubovが実践した、遅い立ち上がりでも顧客を掴む方法
Alexander Belogubovは、ウクライナ拠点のソロ起業家。多数のプロダクトを試した末に、ReplymerやRefgrowのようなマーケティングSaaSへ軸足を移し、派手なバズではなく小さな獲得チャネルの積み上げで売上を作ってきた。Replymerではソーシャル上の会話起点の露出獲得、RefgrowではSaaS向けアフィリエイト導入の簡素化という異なる課題を攻めており、共通するのは“手間のかかる運用を商品化する”発想だ。
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概要
Alexander Belogubovは、ウクライナを拠点に活動するソロファウンダーで、複数のSaaSを自力で立ち上げてきた起業家だ。Indie Hackersでは、5年間で37のプロダクトを試した経験があると自ら振り返っており、その中で“数を打つだけでは再現性が低い”という教訓にたどり着いている。
現在の主力は、会話ベースの露出獲得を支援するReplymerと、SaaS向けのアフィリエイト導入を簡単にするRefgrowだ。参考URLの投稿では、Replymerが月8,000件規模の返信運用を扱っていた時点の学びを共有しており、その過程で築いた実装や運用の難所を別プロダクト化する発想も見せている。
Belogubovの面白さは、単にAIを使った新規プロダクトを作ることではない。むしろ、マーケティング運用の泥臭い部分、たとえば会話の発見、投稿フロー、アフィリエイト管理、外部パートナー獲得といった面倒な工程を、使える業務ソフトに落とし込む点にある。
ビジネスモデル
Replymerは、もともとRedditやX上で自社プロダクトが自然に推薦される場を見つけ、返信作成や投稿運用を支援するサービスとして伸びてきた。現在のサイトでは、ChatGPTやPerplexity、Gemini、ClaudeなどのAI回答面で自社名がどれだけ言及されているかを追跡し、不足箇所に対してReddit返信やアウトリーチ案を提示するプロダクトへ進化している。単なる投稿自動化ではなく、AI時代の“引用されるための露出管理”に寄せた転換が見える。
一方のRefgrowは、SaaS事業者が自前プロダクト内にアフィリエイトや紹介プログラムを組み込めるソフトだ。スクリプト1本で埋め込みやすい設計に加え、パートナー用ダッシュボード、報酬設定、支払い管理、公開ディレクトリ、AIによる候補発掘まで一続きで提供している。既存の紹介ツールが“計測はできるが、肝心の紹介者集めは弱い”という穴を突いた構成になっている。
両サービスに共通するのは、ソフトウェア単体を売るのではなく、顧客がつまずきやすい運用工程まで含めて成果物として提供することだ。Replymerは会話起点の顧客接点づくり、Refgrowは紹介チャネルの立ち上げと拡張に焦点を当てており、どちらもB2B SaaSの成長課題にかなり近い位置で価値を出している。
収益規模
収益面では、複数のトラッキング系サイトに数値が出ている。TrustMRRでは、Alexander Belogubovの3プロダクト合計で直近30日売上が約1.08万ドル、推定MRRが約1.01万ドルと表示されている。また内訳として、Replymerが直近30日で約9,700ドル、MRR約8,700ドル、Refgrowが直近30日で約1,100ドル、MRR約1,400ドル、IndieMergerは足元売上ゼロと整理されている。
別の掲載面では数値に差があり、TrustMRRの別クロール結果では累計売上約11.9万ドル、MRR約1.08万ドルと出ている。集計タイミングや更新日の違いがあるため、厳密な確定値として扱うより、足元では“合算で月1万ドル前後のMRR帯に達している”と読むのが無難だろう。
個別事業では、Replymerに関して本人のX投稿で6,800ドルMRR時点の説明が確認でき、その後の外部集計では8,000〜9,000ドル台まで伸びた形跡がある。Refgrowは2026年6月時点で約2,900ドルMRRと紹介する記事があり、初回課金顧客獲得まで6か月を要した一方、その後は低予算でじわじわ積み上げた様子がうかがえる。
学べるポイント
第一に学べるのは、バズ前提の起業観から離れていることだ。Belogubovは37回のローンチ経験を経て、急成長よりも“遅くても伸びるものを磨き続ける”方向へ舵を切っている。これは、短期の当たり外れに振り回されやすい個人開発者にとってかなり重要な示唆になる。
第二に、機能ではなく運用のボトルネックを見る姿勢がある。Replymerの事例では、AIで文章を作ること自体より、実際にソーシャル上で動かす工程のほうが難所だったという問題意識が読み取れる。つまり、生成AIの時代に差がつくのは“出力の品質”だけでなく、“運用に接続できるか”だということだ。
第三に、小さなチャネルを束ねる発想がある。Refgrowの初期獲得では、アフィリエイト、ニッチなFacebookグループ、Product Huntの再挑戦など、地味な流入源を重ねて最初の顧客を作った流れが紹介されている。ひとつのチャネルに夢を見すぎず、複数の細い導線を並行させる戦い方は、広告費に余裕のないソロ創業者と相性がよい。
第四に、ピボットの切り方が現実的だ。ReplymerはReddit/X中心の推薦獲得支援から、AI検索・AI回答での言及管理へと軸を広げている。これは機能追加というより、“ユーザーが本当に欲しい成果は何か”を起点に見直した結果に近い。チャネルの見え方が変われば、プロダクトの語り方も変えるべきだという好例だ。
日本での再現可能性
日本でも再現余地はあるが、そのままコピーするのは難しい。理由は二つある。ひとつは、Replymer型の戦略が強く依存する海外コミュニティ文化、とくにRedditの存在感が日本ではまだ限定的なこと。もうひとつは、英語圏SaaSではアフィリエイトやパートナー施策が一般化している一方、日本のB2B SaaSでは制度設計も運用体制も未整備な企業が多いことだ。
ただし、発想レベルではかなり応用できる。たとえば日本市場では、X、YouTube、Qiita、Zenn、比較記事メディア、業界コミュニティ、代理店ネットワークなど、“見込み客が購買前に答えを探す場所”を洗い出し、そこへの露出管理を半自動化する余地がある。Replymerの本質はReddit専用ツールではなく、会話や第三者言及を事業資産として扱う設計思想にある。
Refgrow型も、日本ではむしろ未開拓の可能性が大きい。SaaS企業が紹介制度を導入したくても、実装、追跡、報酬計算、請求処理、パートナー募集が面倒で進まないケースは多い。ここを“すぐ埋め込める紹介基盤”としてまとめれば、中小SaaSや縦特化SaaS向けに十分勝負できる。
総じて、Belogubovのモデルを日本で再現するなら、海外の成功チャネルをなぞるよりも、「購買前に信頼が作られる接点」をどこまでソフトウェア化できるかが鍵になる。派手なAI機能より、営業・紹介・会話・露出の地道な運用を省力化するほうが、日本では実装価値が高いかもしれない。
出典
- https://x.com/AlexBelogubov/status/2041451718127354053
- https://trustmrr.com/founder/AlexBelogubov
- https://www.indiehackers.com/post/ive-launched-37-products-in-5-years-and-not-doing-that-again-0b66e6e8b3
- https://startupfounderstories.com/ja/stories/alexander-belogubov-refgrow-first-33-customers
- https://replymer.com/
- https://refgrow.com/
- https://refgrow.com/docs/affiliate-portal
- https://refgrow.com/docs/affiliates
- https://refgrow.com/docs/ai-recruiter
コメント
ただ数を打つのではなく、ポイントを見定めて泥臭く改善を繰り返す。成功する人たちは必ず、競合になり得る人たちが気が付かない部分で工夫をこなしている。
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